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ぼくは勉強ができない
◆出版=新潮文庫
◆著=山田詠美
◆装画=佐々木美穂
『ぼくは勉強ができない』表紙イラストレーションの感想
ぼくが高校生の頃に、NHKのラジオ「青春アドベンチャー」で放送されていたのを聞き、その後原作を読みたいと思って本を買い、何度も何度も読んだ作品。「ぼくは勉強ができない」。
主人公の時田秀美くんは、いわゆるリア充です。
サッカー部で、勉強はしていなくて、年上の彼女がいる。ひんぱんにセックスだってする。
憧れない男子高校生なんていない、そういう主人公であります。
彼が、今ここに現れたら、きっとこんな姿をしているでしょう。
けだるそうな表情もするでしょう。
この素晴らしい青春の物語を、現在を生きる高校生たちに手に取ってもらおうとしたときに、主人公が「今性」をまとうのに一役買っていると思います。
人物はうすーい着色であるのに対し、背景がこんなに厳しい黄色なのは、現代に生きる若者の主体性の薄れを象徴しているのでしょうか?いや、それは、深読みしすぎか・・・
好きな本だったので、イラストレーション論になりませんでしたね。
ただ、何度も読んだことがあるのにもう一回読みたくなる、そんな装画でありました。