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GHQ ゴー・ホーム・クイックリー
※使用中のテーマ「SANGO」が、まだWordPress5.0に対応しきっていないようです。記事が見づらい可能性もありますが、更新優先でいったん記事作成してみようと思います。
◆出版=文藝春秋
◆著=中路啓太
◆装画=柳智之
◆装丁=城井文平
『GHQ ゴー・ホーム・クイックリー』表紙の感想
背景が、相対的にビビッドな赤で、主題となる人物がほとんどモノトーンで描かれているという構図が、目に驚きを与えます。
背景の彩度を上げることで(主題の彩度を下げることで)、見た目の印象を強くさせることができるのですね。不穏な雰囲気とともに、ショッキングな印象を与えたいときには使えそうな技法です。
人物の表現が個性的です。
描線の強弱がおもしろいです。この絵は、自分にはデジタルに見えるのですけれど、描線は意識的にアナログチックな太さ・細さが使い分けられているように思えます。
目の表現も個性的です。といっても右の人物だけなのですけれど、下まぶたが頬のラインと同化して、目に力を入れているような表情になっています。やはり目の描き方は人物の表情を決定づけます。
人物のシルエットも意識的に描き分けられている様子ですね。左のマッカーサーぽい人物はすこし縦長に。右の人物はまあるく。
この描き分けにより、イラストレーションはややコミカルな描写となるのですけれど、人物の表情や衣服のベタ塗りや背景のショッキングな活用や人物をモノトーンに抑えるなどの工夫によって、マンガ的な印象にならずに収まっています。