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『エドウィン・マルハウス』装画
◆出版=河出出版
◆著=スティーヴン・ミルハウザー
◆装画=高橋将貴
◆装丁=川名潤
『エドウィン・マルハウス』装画の感想
大きく描かれた、憮然とした表情の少年。
絵柄としてはリアルですが、筆のタッチが大きく、マチエールを生かした描き方となっています。
オシャレですね。
大きく見ると大変精緻にデッサンが取られている一方、細かくは筆の息遣いをそのまま絵に反映させていて、そのギャップがたまらないです。
後ろの背景が黒いのは、闇を表しているのでしょうか。
闇が少年の左肩に入り込んでいるのも、細かいけれど意味深で面白い表現です。
個人的には服の感じがとても好きです。
明度差は大きくつけているわけではないのに、きちんと陰影の存在感がある。
色味のある陰は、絵の色彩に奥行を与えますね。
シャツの陰を青っぽく描くのは、鉄板の手法ですが、やはり、特に上手い方がやると、すてきな色になります。
それにしても、「大きく人物を描く」というのは、大変目を惹きますね。
イラストレーションとして、つよいですね。