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ブロードキャスト
著=湊かなえ
装画=へびつかい
装丁=片岡忠彦(ニジソラ)
ポップな表紙。
スニーカー、ストップウォッチ、旧型のテレビ、ペットボトル・・・
さまざまなモノが跳ねながら散乱したような画面は、
この物語が何かしらのスラップスティック(ドタバタ)があるような予感を抱かせます。
(あくまで表紙からの想像です。)
全体的にはポップですが、色使いはけっこう抑制的ですね。
限られた種類の色しか使われていません。
オレンジと青の、それぞれ三階調の明度、それに白と黒。
こんなに限られた色味で、こんなに楽しい画面をつくれるのですね。感嘆です。
それからこの表紙のイラストレーションのように、
線画できちっと区画された絵をデジタルでむらなく色をつける表現は、
マンガ畑出身のぼくにはとても魅力的なやり方に見えます。
本を読みたくなる絵柄ですね。
それにしても、「告白」に代表されるようなミステリを書いてきた湊かなえさんの著作としては、従来とすこし毛色が違うようにも見えますね。
「この作品は、今までの湊かなえ作品とはすこし違うよ」という意味も込めて、ポップで動きのある装画にしたのかもしれないですね。